■IRは市場信頼を獲得する経営そのもの
IR(Investor Relations=投資家向け広報)は、1953年に米国で生まれたビジネスモデルです。日本への紹介は86年だといいます。
それから25年が過ぎました。最近では、企業にIR部門があるのは当たり前です。IR部門長を務めていた3人に1人は、直後に役員に昇進したという調査もあり、IR部門は経営トップへのキャリア・パスとなり、IRを経営責任とする時代がやってきたといえます。
本書では欧米市場に見られるIR活動を3つの展開を中心に取り上げました。
まず米証券取引委員会(SEC)の公平開示規則(2000年)です。情報弱者の個人投資家を視野に、企業情報アクセスの均等化を図った画期的な施策で、これを可能したのが情報伝達手段のインターネット革命でした。この2つが21世紀の企業情報開示の出発点です。
次は、全米IR協会(NIRI)の進展です。NIRIはNPO(非営利団体)として、規制当局や市場向けにIR活動を擁護し、その立場を主張してきました。そのNIRIの活動を通して米国のIR活動の展開を追い、さらに欧州を中心とした国際IR連盟、近年広がりをみせる新興国のIR活動も、本書はカバーしました。